JR和歌山線と近鉄吉野線の接続する吉野口駅(奈良県御所市)。
近畿・東海地方には、JRと近鉄の共同駅は多いが、吉野口駅は両社間が改札を通ることなく(ノーラッチ)乗り換えることのできる数少ない駅です(かつてはノーラッチで乗り換えられた駅が多かったが、近年中間改札を設けるところが増えている)。近鉄の駅名標もJR西日本のものが使われています。
また、吉野口は、今や奈良県で唯一となった正式な駅弁販売駅です。駅弁とはいっても、華やかなものではなく、当地方の名物・柿の葉すしのみですが、これが駅弁ファンの隠れた人気を呼んでいるそうです。
さて、その吉野口駅ですが、よく考えたら、この駅からノーラッチでJR・近鉄ともかなり広範囲な移動が可能ですね。
JRは、和歌山線および周辺の五条・橋本・和歌山・奈良・王寺・天王寺へはもちろん、北海道・四国・九州各地へももちろんノーラッチで乗車できます。
一方、近鉄は日本最大の私鉄で、名古屋・鳥羽・賢島・京都・大阪難波・大阪阿部野橋は言うに及ばないが、京都市営地下鉄烏丸線や阪神電車に相互乗り入れ運転しているため、ノーラッチで京阪京津線・石山坂本線(浜大津、坂本、石山寺など)、神戸高速鉄道、山陽電鉄(明石、姫路など)、神戸電鉄(有馬温泉、三田、粟生など)、神戸市営地下鉄(谷上経由)、阪急電車全線(高速神戸経由)、能勢電鉄、大阪市営地下鉄全線(阪急淡路経由)、北大阪急行(千里中央など)と、関西のいろんなところに行けてしまうわけですね。
南海電鉄へも、少し前まではJR和歌山線を介して橋本駅でそのまま乗り換えられたんだが、近年中間改札が作られてしまったので、今でも可能なのは紀勢本線の終点・和歌山市駅ぐらいでしょうかね?
京阪電車(本線、中之島線、交野線、宇治線、鴨東線)各駅へは、一度改札を通らないとダメ(昔は、丹波橋経由で近鉄と乗り入れ運転を行っていたし、JR奈良線の東福寺駅でもノーラッチで京阪に乗り換えることができた)。