大阪市内に乗り入れるキハ47といえば、福知山線普通列車を思い出すでしょう。
1986年11月の城崎電化まで、福知山線は鳥取・米子・出雲市方面への長距離客車列車をはじめ、大阪~宝塚間の黄色い103系電車、その中に混じって気動車の普通・快速列車と、ミスマッチな車種でバラエティに富んでいました。気動車普通列車は、1980年以降は基本的に福知山機関区(福フチ)のキハ47でしたが、キハ58系急行〔丹波〕〔だいせん〕の間合いもあったようです。これらの列車が大阪駅に発着していたのですね。
さて、大阪市内に乗り入れるキハ47(キハ40系)といえば、実は福知山線の列車だけではないようです。
それは、関西本線(大和路線)。関西本線の大阪口は、1973年に電化されて以降、赤帯113系と緑色101・103系が行き来するだけで今ひとつ物足りないような感じもしました。
ただ、1980年代半ば、湊町(現・JR難波)-柘植間の気動車臨時列車「ハイキング号」が運転される時期がありました。この列車は、大阪市内および王寺・奈良方面から笠置・伊賀上野方面へのハイキング客のために設定されたものと言えます。運用車両は、基本的にキハ58系だったと思いますが、一般型と混結されることもしばしばで、キハ35系のみという日もあったそうです(電化前はキハ35系が頻繁に行き交い、キハ35系のみの亀山・名古屋方面への長距離列車もあった)。湊町乗り入れの臨時列車が電化後初めて設定されたのは1982年春のことで、当初は奈良運転所の気動車が使われたようですが、1984年の奈良線電化を前後して亀山機関区が担当することになりました。亀山機関区には、キハ35系のほかキハ40・47も比較的多く配置されていたので、キハ40系が「ハイキング号」に使われた可能性も考えられるでしょう。天王寺や新今宮、湊町でのキハ58系はもとより、キハ40・47は今では想像できませんね。特に新今宮駅ホームに環状線103系電車と並んで停車する気動車列車は、ミスマッチな光景でしょう。そういえば、大阪駅の福知山線ホームも環状線の隣で、オレンジ色の103系がキハ58系や客車列車と並ぶ光景も見られましたね。