岡山の名物駅弁、
桃太郎の祭すし
製造販売元は、
三好野本店さん、価格は1,000円。寿司飯の上一面に錦糸卵を敷き、その上に車えび・ままかり・穴子・鰆・たこ・シャコなど瀬戸内の海の幸が豪快にのっています。この「桃太郎の祭すし」のほかにも、「祭すし」関係の弁当が何種類か販売されており、塗り箱に詰められた豪華版「贈答用祭すし」(2880円、要予約)は岡山駅弁の最高級に位置づけられています。
岡山の「祭すし」は、備前の国と呼ばれていた江戸時代、時の池田斉政藩主による「常々の食事は一汁一菜」なる倹約令(寛政8〔1796〕年)のもと、庶民の知恵から生み出されたものと言われています。つまり、それならばと庶民たちは魚や野菜を寿司飯の中にたくさん混ぜ込み、それに汁物を添えて、体裁だけは「一汁一菜」とする。これが「ばらずし」の由来となっています。祭りなどのハレの日には、各家庭で「ばらずし」を作って振る舞う習慣が根付いて、備前岡山の「ハレの料理」となり、岡山すし・祭すしとも呼ばれています。
また、この「ばらずし」は、「白いご飯」しか見えないようにして食卓に出し、召し上がるそのときにひっくり返す、という食べ方もあるようです。「かくしずし」と言われ、重箱の底に魚・野菜を敷き詰め、それを白い寿司飯で隠すというものです。祭事のときなど、召し上がる前にお殿様やお侍に「祭りのときも質素な生活をしていますよ」ということをアピールしておいて、立ち去ったあとには「ひっくり返して」豪華爛漫なばらずしとして味わう、という庶民の演出のアイデアと伝えられています。
今でも、岡山市内のお店では、「ひっくり返して」食するところが実際にあるようです。また、岡山駅の別の業者さんの駅弁として、「かくしずし」が販売されており、これがまた隠れた人気を呼んでいるそうです。
「かくしすし」については、木曽さんちゅうのブログ
http://ameblo.jp/kiso-wcolon-ekiben/entry-10724383797.html
に面白く紹介されています。