もし本州がJR2社なら(3)のつづき。
もし、東海道新幹線全区間がJR西日本の管轄なら、意外だと思われるかもしれませんが、まず
京都と奈良を結ぶJR奈良線などはどのようになるのか興味深いと思います。
新幹線から奈良・大和路への観光は、京都駅から近鉄に乗り換えるのが一般的です。
現に東海道新幹線を管轄するJR東海の奈良・大和路への観光キャンペーンでも近鉄と連携し、同じJRグループのJR奈良線は無視されがちのようです。
国鉄・JRの奈良線は、長い間単線非電化で、並行する近鉄とは競争相手にもならないほどでしたが、1984年に電化、2001年に一部区間複線化され、現在では京都-奈良間に快速電車(221系)が1時間に2本運転されています。
それでも、奈良・大和路への観光は、列車本数の多い近鉄のほうが便利だと言わざるを得ません。
特に観光客にとっては、通勤・通学客で混みあうJRの快速電車よりも、割安料金で座席が保障される近鉄特急のほうを好むでしょう。
奈良公園・興福寺・東大寺など、奈良市内の主要観光名所へは、JRよりも近鉄奈良駅からのほうが近いし、生駒山・室生・飛鳥・吉野などへは近鉄が断然便利です。
もし東海道新幹線がJR西日本の管轄だとしても、基本的に京都駅から近鉄という流れは変わらないだろうが、少し事情が異なると思われます。
同じJR西日本として、当然のことながら京都駅にとどまらず奈良までJRの利用を望むので、近鉄特急を意識して
京都駅から特急型車両使用の座席指定の快速列車が設定されるかもしれません(221・223系での座席指定列車は関空特快などでの実績があるが、利用が少なかったため短命に終わった)。
この場合、さらに桜井線・和歌山線経由で五条・橋本までの運転にすると、天理~桜井間の「山の辺の道」、奈良県南部の十津川方面(五条からバス)や高野山(橋本から南海電車)方面へも便利なので、面白いでしょう。
一方、新幹線から奈良・大和路への観光企画きっぷは、やはり近鉄との連携なしでは難しいでしょう。